精密などんぶり勘定 – 廃版は、どこで決めるか

精密などんぶり勘定とは

経験と勘で行っていた見積もりを、実績データとの照合で継続的に補正し、人や日によるばらつきを小さくする手法です。補正には機械学習などを使います。

どんぶり勘定なのは、細かいところは丸めて、結果が変わるところだけを見るからです。

精密なのは、人間と違って、過去との答え合わせを自動で続けるからです。人は昨日の外れを忘れたり、たまたま当たった日だけを覚えていたりします。ソフトウェアは毎日の実績を全部同じ重さで覚えていて、ずれた分だけ次の日の見込みを直します。

次のロットを、利益を出して売り切れるか

廃版には、だいたい3つの形があります。新しいモデルに入れ替える「新製品への切替え」、その商品自体をやめる「完全廃版」、売れない色だけをやめる「色廃版」です。どれも判断の軸は同じで、「次のロットを頼んで、利益を出して売り切れるか」です。売れ行きが落ちるほど、最低ロットを売り切るまでに時間がかかり、その間の倉庫代と金利がかさみ、売り切れずに残った分は値引きして処分することになります。

日

融資金利は、仕入れのお金を借りていればその金利です。自己資金なら、他に回せたはずの分として同じように数えます。仕入れてから売れるまでのあいだ、在庫1台ごとにかかるとしています。倉庫代は、梱包1m³のソファを2m積みにして、1台あたり約0.15坪として計算しています。売り切るまで最長1年見て、それでも残った分は処分します。新製品への切替えでは、旧製品は発売から3か月で売り場から下げて、残りを処分するとしています。

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次のロット1回で出る利益

廃版は、残った在庫の話ではなく、次の発注の話

廃版というと、残った在庫をどう処分するかに目が行きがちです。でも、決めるべきは「次を頼むかどうか」です。今ある在庫は、頼んだ時点でもう払ったお金で、あとから変えられません。変えられるのは、これから頼むロットだけです。

次のロットの利益 = 売り切れる分の粗利 − 倉庫代 − 融資の金利 − 売れ残りを処分する損

これが0を下回る売れ行き、あるいは新製品の発売までの日数になったら、次は頼まない。式は足し算と引き算だけです。ただ、中に入る「売れ行きがどれくらいの速さで落ちるか」「新製品が出たら旧製品がどれだけ売れなくなるか」「色をやめたら他の色にどれだけ流れるか」は、勘で置くとすぐに外れます。過去の切替えや廃版の実績から測って、毎月答え合わせしながら線を引き直していくのが、精密などんぶり勘定です。

このページの計算は、考え方を説明するためにかなり単純にしています。実際の判断では、最後のロットの値引き交渉、新製品の発売の遅れ、売り場の展示替えの時期なども条件に入ります。原則としては、こういう考え方で廃版を判断しています。